なりたさまかく語りき

結局好きなこと書くのがいちばんよい。

【書評】読書脳

読んだ。

 

 

読書はそれなりにする*1のだが、読んだ内容をちゃんと覚えているかと問われれば怪しい。

本書を読んで、”アウトプットが大事”と(わかっていたけど)書いてあったので、さっそく実践してみようと思う。

 

 

名言

読んでて気に入った言葉とか文を抜き出しておく。

第1章 なぜ、読書は必要なのか?読書によって得られる8つのこと
「年収1000万円になる方法」を10個思いつく人と、1つしか思いつかない人では、将来的に「年収1000万円になる」確率が高いのはどちらでしょう?

〜中略〜

人間というのは、思いつかないことを実行することはできません。可能性すら思い付かないのに、それに向けて努力することは不可能なのです。

(P74 より)

だから本を読みましょうという話。当然だけどその通りと思います。

 

「知的好奇心を満たす」というのも読書の目的の1つではありますが、それが最終ゴールになっては、100冊読んでも、現実は全く変わらないということになってしまいます。

(P80 より)

だから読書したら考え方と行動を変えて身にしていきましょう、という話。読んでも忘れてたら意味ないものね。せめて覚えておけるようにアウトプットしようねってこと。

 

第3章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 2つのキーワード 

私はよく映画を見るのですが、映画についても、できるだけレビューや記事を書く努力をしています。しかし、当日にはアップしません。

〜中略〜

まだ興奮冷めやらず英気サイトした状態なので、「おもしろかった!」「感動した!」「泣けた!」など、「感情言語」しか出てこないからです。小学生の感想文のようになってしまい、そこに客観性、冷静な観察というものは存在しません。

〜中略〜

それが不思議なことに、一晩寝てから文章を書くと、クールで論理的な文章に変わります。

(P126 より)

これも特別な話ではなく単に身に覚えのある話。「クールで論理的」、いい響きだね。

 

第4章 「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編 

「読書」というのは、インプットの入り口であり、その著者からの学びの入り口でもあります。

〜中略〜

本を読むことに端を発し、著者と会い、リアルに学ぶというのは、「学び」として連続している。

(P153より)

だから著者に会いに行ってみてね、講演会とかセミナーとか参加してみてね、という話。考え方というより「学びは連続している」という言い回しが好きです。

第5章「読んだら忘れない」精神科医の本の洗濯術 

書店に行くと「今週のベストセラー」や「売れている本」の棚に目が行きます。しかし、本来本を買う基準、本を読む基準は「自分が読みたいかどうか」のはずです。他の人が読んでいるかどうかは関係ないのです。「他の人がやっているから、自分もしないといけない」という発想自体を、根本から捨てるべきでしょう。

(P179 より)

全くもってその通りだと思いますですはい。言葉に痺れたというより、この考え方自体が自分の中にも芯としてあるものなので改めて共鳴した、という言い方が正しいかな。

でもベストセラーになる本はやっぱり面白いと思うので、逆張りして読まないくらいなら素直に読むほうがええと思うで*2

 

感想

以前にも読書術や効果的な本の読み方に関する本は読んだ気がするので、そこに書かれてたのと同じで「アウトプットせよ」というのが共通して書かれていた。アウトプットのやり方に関しては類書と同じで、1回目はサラッと読んで気になった箇所にマーカーなり書き込みをして、2回目は気になった箇所をサラッと流して、後日それを人に話したりSNSに投稿するといったアウトプットに変換して脳に定着させましょう、というもの。それを軸として効果的な本の選び方やたくさん読むための時間の使い方・組み立て方といった補強的な話が散らばる、まあよくあるといえばよくある構成。新規の学びがなかったわけではないが、骨太というよりは普遍的な内容で読みやすかったな。1日で読めたし。

あ、でも、読書テクニックにいちいち名前が付けられているのだが、タイマーかけて3分だけ集中して(制限時間を設けて)読もう、というテクニックをウルトラマン読書術」と名付けるのは、サムイなって思いました。

あと、これはネガティブな意見だけど、巻末に著者のおすすめの31冊が載ってるけど、「骨太本も紹介する」という触れ込みの割に、クソ浅えと思いました。まあ全体的に「本なんて1500円もあれば買えるんだよ」って意見の人なので、そういう価格帯の本しか選択肢に入ってないんだろうなと理解しましたが。個人的には、例えば「サピエンス全史」とか「銃・病原菌・鉄」とか「ブルシット・ジョブ」とか骨太本として紹介されると嬉しいな、なんて思ってましたけど。*3

あと、これはシンプル悪口だけど、精神科医を名乗るもんがHSPビジネスの先兵みたいな繊細さんの本紹介するの、信用ならんと思うのだよな。

 

ってことで56/100点です。

 

 

 

 

*1:9/26時点で2023年は15冊ほど活字本を読んだ。特に自慢できる数字ではないが、全く読まないというわけでもないのではないかと。

*2:自戒。

*3:そもそもその欄の中に教養系・サイエンス系は入ってなかった気がする